ベース教室のレッスンってどんなことするの?メリットとデメリット
お世話になります。
WEBライターの前田です。
ミュージシャンでベーシストでWEBライターという肩書きにも関わらず、趣味で書いた歴史系の記事ばかりが人気で複雑な気持ちになっています。
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僕もベーシストとしてドラム・ベース教室でレッスンなどをやらせていただいておりまして、京都の烏丸にございますレッスンスタジオをはじめ、関西のスタジオなどでも場所を問わずレッスンを受け付けております。
前田健太所属のベースレッスンの詳細はこちら(株式会社プエル)
ということで今回はベースに限らずとも、様々な楽器を始めるにあたって、
- 上達したいのなら必ずレッスンは受けた方がよいのか
- 教室に通うことは独学と違ってどういったメリットがあるのか
- ベースの教室ではどういったことをしているのか
などを解説していこうと思います。
ベースのレッスンを受けた方がいい?|メリットとデメリット
ベースや楽器に限らず、何か身に付けたいことがあるときは教室でレッスンを受けることが上達への近道です。
しかしレッスンを受けることは、当然お金がかかってしまいますし、中には独学でも上達できる人もいるため、必ずしも受けた方がよいというわけでもありません。
レッスンを受けた方がいい場合や、レッスンを受けることのメリットなどについて解説していきます。
メリット①:レッスンを受けることで上達が早くなる
早く上達することができるというのはレッスンを受けるうえでの何よりのメリットです。
専門の先生がちゃんと基礎から教えてくれますし、わからないことがあってもその場ですぐに解決してくれるため独学に比べると早く上達することができます。
デメリット:レッスンという形式が合わない人もいる?
レッスンは「人対人」で行うものなので、どうしても先生と生徒の間にも相性が悪いということもあります。
もちろん、レッスンをただ受けるだけでは上達するわけではなく、教えてもらったことや与えられた課題をどうこなしていくかということが重要になってきます。
メリット②:モチベーションが保たれる
レッスンに通うことで、「次のレッスンまでに練習しておかなければならない」というある程度のプレッシャーが生まれます。
独学では「上達したい!」というモチベーションを保つのが何よりも難しく、生活や仕事もありますのでどうしてもそちらに気が取られて練習の時間を確保することもなくなっていきます。
月に1回でもいいので、レッスンに行くという予定があるだけでも取り組む姿勢やモチベーションは大きく変わってきます。
デメリット:強制的に受けるという気持ちになる?
楽器を弾くことなんて好きじゃないのに、無理矢理親に通わされているという方も中にはいらっしゃいます。
レッスンに通うことはモチベーションの継続には効果がありますが、「しなければならない」という気持ちになってしまうこともあります。
そうすると楽器自体が嫌いになってしまうこともあり、レッスンに通うことは逆効果となることもあります。
メリット③:自分のプレイに自信がつく
例えばベースの「スラップ」という奏法がありますが、正直僕も先生に教えてもらうまではどうやって音が鳴っているのか、見ただけでは見当もつきませんでした。
自分なりにやってはみたんですがやはり上手くいかず、結局先生に教えてもらって「OK、できてるよ」と太鼓判をもらったことで、自信を持って披露することができるようになりました。
昨今では教則本やインターネットで簡単に調べることはできるのですが、「本当にこれでいいのかな?」と少しばかりの不安は残ってしまいます。
「できているかできていないか」を判断してくれる先生がいるだけでも、上達には大きく差ができます。
デメリット:独創性が失われる?
同じスラップ奏法でも、様々なやり方があるため、これと言って正しい形が決まっているわけではありません。
なので先生の好みのスラップ奏法で固定されてしまうというのも、その人のスタイルや独創性を失くしてしまう要因になるかも知れません。
しかし独創性とはあくまで基礎があってこそ成り立つものですので、しっかりと基礎を磨いてから独創性の部分を磨いていきましょう。
レッスンではどのようなことをするのか
ベースのレッスンを受けるにあたって、「ベースを上達させること」が一番の目的になると思います。
では、ベースのレッスンでは主にどのようなことを学ぶことができるのでしょうか。
ベースの持つ役割や醍醐味など、「ベースのこと」を知る
レッスンで僕が教える上で一番大切にしていることは、「ベースのことを知る」ということです。
- ベースという楽器がどういう役割をもっているのか
- 他の楽器がベースという楽器に対して何を求めているのか
- ベースという楽器の醍醐味はどういうところなのか
という点を知ってもらうことが何よりの出発点です。
これまでも生徒さんにベースを教えてきた経験上、「とにかくベースを触ってみよう!」「やっぱりベースが弾けると楽しいよね!」という方針でレッスンを始めてみても、「まぁこんなもんか」という反応も多く、長続きしない生徒さんもいました。
と言うのも、正直ベースという楽器は、他の楽器に比べると一人で弾いていてもそこまで楽しいものではないというのは否定しようがありません。
黙々と一人で練習し続ける人も中にはいますが、そういう人がたまにいるからベーシストは変態だなんて言われることもしばしばです。
やはりベースというのは他の楽器と組み合わせたアンサンブルにおいて真価を発揮する楽器です。そのため、ベースという楽器そのものが持つワビサビや、バンドの中で他の楽器が音程やリズムにおける目印にするベンチマークとしての役割がある、ということをわかってもらった上で練習に入るようにしています。
そうすることで、漠然とベースを始めてしまったためにベースの醍醐味を知る前に飽きてしまったり、とにかく派手なプレイを目指してその難しさに挫折してしまったりという生徒さんはかなり減ったと思います。
ベースよりも根本的なこと、「音楽のこと」を知る
ベースがやはり楽器である以上、「音楽」について学ぶ必要があります。稀に「楽譜は読めない」「コードはわからない」と言いながらもプロとして活躍しているアーティストもいますが、それはかなり特殊なケースなので真似しないようにしましょう。
「なんでもいいから楽器が弾けたらそれでいい」「人気者になれればそれでいい」という動機でベースを始める人もいるかもしれません。それはそれでベースと言う楽器の入り口としては大いに結構なことではあります。
しかし、音楽理論を学んだり、楽器や様々な音楽のジャンルの歴史を知っていくことで音楽の入り口からさらに奥に進めるようになります。
- バンドを始めたときに自分でベースラインを作らないといけない
- セッションに参加してアドリブソロを求められる
- 作曲したいと思ったときに他の楽器も自分で表現したい
そういうときに、理論がしっかり理解できているだけでも随分と結果は変わってきます。
正直理論を学ぶなんていうのは面倒ですし、あまり楽しいことではありません。しかし僕も中学生のときから吹奏楽部で基礎的なことを先輩から叩き込まれていたことが今でも役に立っています。
基礎的な音楽理論は、法律の様に時代と共に更新されることでもないので一度理解してしまえばこちらのものです。
レッスンを受ける一番の目的、「ベースの弾き方」を学ぶ
ベースのレッスンを受ける方は、おそらく一番にこういった「ベースの弾き方」を求めてくると思いますが、実はというと「ベースの弾き方」を教えるのは最初の1時間程度で終わってしまいます。
しかし、例えばフォームなどは最初のうちにしっかりと身に付けておかないと、よほどのきっかけがない限りなかなか直せるものではありませんし、ベースでは構え方一つでも音色に大きな差が出てきます。
指で弾く人の中でも、バチバチ大きな動きで弾く人もいれば、コンパクトな動きでうねるようなベースを弾く人もいます。
ストラップを低くして往年のパンクバンドの様にピックでゴリゴリ弾く人もいれば、これでもかというくらい高く構えてバキバキスラップをする人もいます。
その人にあったプレイスタイルで、しっかりと音が出ているか、見た目はカッコイイか、疲れないで長時間弾くことができるかなどを客観的に判断してもらえるのもレッスンだからこそできることです。
もちろん、ベースレッスンの醍醐味はベースを弾くことなので、たくさん弾いてもらいたいのは先生としてもヤマヤマです。しかし、やはり上で解説した様なベースのこと、そして音楽のことも同時進行で取り組んでいかないと、いくら弾き方ばかり上手くなっても意味がありません。
ベースだからこそリズムは特にシビアに
僕はベースをレッスンで習っていたこともありますが、近年ではずっとドラムの先生に習い続けています。
変な話ではありますが、ドラマーの目線で今のリズムはどうこうと言ってもらうようになってからの方が、劇的にベースの弾き方や根本的な考え方が変わっていくのを感じました。
僕自身めちゃくちゃに速弾きができるとか、スラップバリバリの派手なプレイが好きというわけではありませんが、「気持ちよくグルーヴの出せるベーシストでありたい」という気持ちはずっと持っていました。
未だに「グルーヴとは何かを説明しろ」と言われると難しいのですが、やはりドラマーをはじめ他の楽器とのアンサンブルや、「持っていきかた」「感じ方」でそれが生まれるのだと思います。だからこそ、リズムという他のパートとの共通認識をより深めることでグルーヴが生まれるのではないかと考えています。
また、メトロノームに合わせてベースを弾いてみても、「今のはリズムが完璧!」「今のはちょっとずれた」という判断を自分でするのは意外と難しいことです。
客観的に人に聞いてもらい指摘してもらうのが一番効果的で、手っ取り早い方法と言えます。録音することも効果的ではありますが、録音機器などの設備やそれを聞き返す時間なども考えるとやはり手間は大きいです。
バンドメンバーの中に「今のはなんか違う」「よくわからんけど気持ちよくない」という指摘をしてくれる仲間がいるとしても、曖昧な指摘ではお互い気分が悪くするだけなので、やはり具体的な指摘をしてくれる先生の存在は大きいものだと言えます。
そして僕がレッスンのときに必ず言うのが、「メトロノームや他の楽器など、リズムを合わせる基準がない状況で弾かないように」ということです。つまり常に何か別の楽器に合わせて弾くということです。
フレーズの確認やちょっとしたウォーミングアップでも、メトロノームなどの基準となるリズムも無しに自分の中にある適当なリズムに合わせてベースを弾くことは、弾けば弾くほど下手になっていっていると言っても過言ではありません。
もちろんこれはベース以外の楽器にも言えることではありますが、特に他の楽器と組み合わせたアンサンブルで真価を発揮してグルーヴを生み出すというベースの役割を考えれば、ベーシストとしてはシビアになっていきたいところではあります。
絶対に守れ!というほどのことでもないのですが、少し心がけているだけでも今後のプレイがかなり変わってくると思います。
リズムやグルーヴって何?を考えられるベーシストになろう
僕のベースレッスンでは、リズムやグルーヴについて考えられるベーシストを育成することが一番の目的です。
初心者の方であればあるほど、こういったことを意識しながら練習に取り組むのは難しいかもしれません。しかし、早いうちから意識しておくことでそのリズム感やグルーヴを持ったまま、テクニックやアドリブなどを磨いていくことができます。
普段の練習法や課題曲の選定、そして教養として知っておいて欲しい音楽や、サポートやスタジオの現場でセッションする定番曲など、その人に合ったレッスンを進めていきます。
ちなみに、ベースにおけるリズムに興味が湧いたという方は、こちらを読んでみることもオススメです。
前田”JIMMY”久史さんは本当に中堅ベーシストの悩みを解決してくれるベーシストですので、僕もいつかこの方のようになりたいものです。
余談ですがAmazonで見てみるとかなりプレミアがついている書籍の様ですのでkindle版でどうぞ…(2020/6/23現在)
まとめ
- レッスンを受けるメリットは「上達が早い」ことや「自信が持てる」こと!
- ベースのレッスンでは主に「ベースの役割や醍醐味」「音楽のこと」を学ぶという目的で臨もう!
- 「ベースの弾き方」についてレッスンで教えることは少ないけど、早いうちに学んでおこう!
- ベーシストが持つべきリズム感はシビアに習得を目指そう!
レッスンはお金がかかることですし、レッスンを受けることに踏ん切りがつかないという人もいると思います。それに先生が怖かったらどうしようという不安もあると思います。
しかし上達が早いなどメリットはやはり大きいので、少しでもレッスンを受けてみたいと思ったのなら、無料レッスンを設けている教室もあるので試しに受けてみるのもよいかと思います。
ちなみにレッスンを開いているような先生は、楽器がずば抜けて上手いプレイヤー気質な人というよりも、基本をしっかり理解していて人に教えるのが得意で、生徒さんが成長するのが何よりうれしく感じるという人が多いです。生徒さんが緊張したり萎縮しないように常に考えてくれているので、怖い先生なんて僕の経験上ほとんどいません。
是非一度レッスンを受けてみてはいかがでしょうか。